検査項目
胃カメラ、大腸カメラ、レントゲン、超音波検査、CT
心電図、長時間心電図、骨塩測定
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
目的:口から、細いカメラを入れて食道、胃、十二指腸に病気がないか調べる検査です。
検査前にすること
① 観察をしやすくするために胃の中の泡をきれいにする薬を飲みます。
② のどの嘔吐反射を抑えるために麻酔薬でうがいをします。
③ ベッドに寝てもらってのどに麻酔薬(液体)を10分間ためます。
④ 麻酔薬のスプレーをのどに噴射します。少し苦味と刺激があります。のどは敏感なので麻酔をしっかりしておく必要があります。
⑤ 痛みや苦しさをやわらげるために血管から鎮痛剤と鎮静剤を投与して、眠るか少しぼんやりした状態で検査を行います(患者さんの希望によります)。
検査の流れ:検査時間は10分前後です。生検やポリープを切除する場合はもう少しかかります。生検とは少量の組織を採取して顕微鏡で詳しく調べて診断する精密検査のことです。ポリープも切除したら回収して顕微鏡で詳しく調べます。ポリープの治療はサイズが小さければ外来で行いますが、数が多い、サイズが大きい、出血の危険性があるなど特別な場合は入院していただくことがあります。性状に問題がなくて小さい場合や切除の希望がない場合は生検や切除はせずに経過をみます。悪性リンパ腫など特殊な組織の場合は、委託している病理医の判断でさらに詳しい検査(免疫染色など)を追加するため、後日追加料金が発生します。
検査終了後、最低1時間は安静にして、しっかり目が覚めてから結果の説明を聞いてお帰りいただきます。
注意点:
・検査後数日間喉の違和感や痛みがあることがあります。
・麻酔や鎮静剤によりアレルギー症状や呼吸抑制を起こす可能性があります。歯科の麻酔などで気分が悪くなるといった副作用の経験があれば検査前にお申し出ください。
・鎮静剤を使用した後で完全に覚醒していない状態で運転すると、交通事故の危険性がありますので検査当日の運転はなるべくお控えください。
・本検査に伴う偶発症は稀ですが、観察のみで0.005%、ポリープ切除で0.141%と報告されています(2016年日本消化器内視鏡学会誌)。検査後に黒い便が続く、ふらつく、腹痛があるなど気になる症状があればご連絡ください。
下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)
目的:肛門から細いカメラを入れて大腸全体を観察する検査です。
検査前の準備:
① 検査前日に下剤を服用します。
② 検査当日朝から腸をきれいにする薬液を1.5-2L飲んでいただきます。便が水のように無色透明になるといい状態です。小さな粒状の便が残っている状態では、観察が不十分になり、検査途中で終了せざるを得ないことがあります。
③ 検査前に点滴を始めて、腸の動きをおさえる薬と胃カメラと同じ鎮静剤、鎮痛剤を投与して検査を開始します。
検査の流れ:検査には個人差がありますが概ね30分前後かかります。検査中に炎症や腫瘍など異常があれば生検(組織を少量採取して顕微鏡で調べる)を行います。検査後は1週間ほど軽い腹痛や下痢が続くことがありますが、ほとんど自然に改善します。
ポリープがあった場合はその場で内視鏡的に切除します。検査時間はその分長くかかります。当院ではポリープ切除後の経過観察のため2泊3日の入院をしていただきます。サイズが大きい場合は関連の専門病院を紹介します。
注意点:
・麻酔や鎮静剤によりアレルギー症状や不整脈、呼吸抑制を起こす可能性があります。
稀に、腸の動きを抑える薬で不整脈や血圧低下、排尿困難など起こす場合があります。緑内障、前立腺肥大、心臓病、褐色細胞腫を合併している方には使用できませんのでお申し出ください。
・稀ですが、検査やポリープ切除により腸に穴が空く穿孔やポリープ切除部位からの出血を合併することがあります。当院ではポリープ切除後は入院のうえ経過をみさせていただきます。治療後の出血には緊急内視鏡が、穿孔には外科手術が必要となるので、そのときは専門施設をご紹介します。検査自体に伴う偶発症は0.011%、ポリープ切除は0.564%と報告されています(2016年日本消化器内視鏡学会誌)。
・鎮静剤を使用した場合は交通事故の危険性があり、検査当日の運転はお控えください。帰宅後に血便や腹痛が続く場合はご連絡ください。
超音波検査(エコー検査)
専任の検査技師により腹部(肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓など)、乳腺、甲状腺の超音波検査を行っています。皮膚にゼリーを塗って専用の器具を体に当て体内臓器の状態を観察する検査です。痛みや放射線被ばくはありません。検査の予約は不要です。お腹のエコーは朝食抜きで行います。
なお、心臓、頚動脈の超音波検査は循環器内科の外来日(土曜日の午後2時から5時)に行っています。
X線(レントゲン)検査
放射線により肺や心臓、胃腸のガス像などを調べます。胸部レントゲンは肺の腫瘍や炎症(肺炎)、心不全などを調べる場合に行います。腹部は胆石や尿路結石、腸管のガス像の評価が必要な場合(腸閉塞、便秘など)に行います。簡便な検査ですが正確性はやや劣ります。妊娠している方は検査できません。
CT(コンピュータ断層撮影)
ドーナツ型の機械へベッドに寝た状態で入り、X線により体の断面をみる検査です。レントゲンより正確な評価ができます。造影剤を血管内に注入しながら行う造影CTは当院では行っておらず、必要な場合は連携医療機関を紹介しています。
妊娠している方は検査できません。
心電図
心臓が発する電気を波形として記録する検査です。脈の異常(不整脈)や心臓の筋肉の傷害(狭心症、心筋梗塞)の有無を調べることができます。検査にかかる時間は数分です。
長時間心電図
心電図を24時間記録する検査です。胸にシールを貼り小さな機械を身に着けて心電図を連続して記録します。検査中もふだん通りの生活を送ることができます。自覚症状や行動の内容を専用の用紙に記録していただきます。心電図検査で異常がなくても長時間心電図を記録することでより詳しい評価ができます。機械を取り付ける日と外す日の2回来院していただく必要があります。
骨塩定量
両手(中手骨)のレントゲンを撮影して骨の密度を調べます。結果が出るまで3日前後かかります。骨粗鬆症になりやすいか判定します。